ベトナム語の現在形・過去形・未来形

ベトナム語の時制は厄介なもの?

英語には、現在形・過去形・未来形があります。
学校の勉強でもこの時制はとても大切なものとして扱われますが、英語を勉強する上でつまづいてしまうポイントでもあります。
時制の違いによって動詞が変化するのが英語であり厄介だと感じる人も多いかもしれませんが、日本語でも、「している」・「した」・「する」のように、動詞は変化します。
他の言語にも時間軸によって言葉が変化するものは少なくありません。
それでは、ベトナム語はどうでしょうか?
ベトナム語の時制は、英語のように時制による動詞の変化は起こりません。
主語の次に置く言葉によって、現在形・過去形・未来形を表現するのが基本となっています。

ベトナム語の時制表現

ベトナム語で過去を表現するときには、主語の前に「da(ダー)」を、
現在(進行形)を表現するときには「dang(ダン)」を、
未来を表現するときには「se(セー)」を置きます。
ただし、英語にも過去形だけでなく過去完了形や現在進行形があるように、ベトナム語にも変化球の時制表現があります。
まず、何か物事を「経験したことがある」「まだ経験していない」という違いの表現方法です。
前者は「da tung(ダートゥン)」、後者は「chua bao gio(チュアバオヨー)」を、時制表現の部分に入れ込むことで表現できます。
いずれにしても、(主語)+(時制)+(動詞)の基本的な文法に違いはなく、動詞の変化もしないので、表現方法を覚えていれば問題なさそうです。
経験の有無と似ていますが、「すでに~~した」という表現もあり、その場合は「roi(ゾイ)」を使います。
これは時制とは微妙に異なる状態を表す言葉ですので基本的な文法には当てはまらず、動詞の後につきます。
また、日本語は過去進行形を好んで使う傾向にありますが、ベトナム語も日本語と同じように過去進行形を用いることが多いようです。
例えば、昨日何をしていたか問われたら「~~をした」と答えるよりも、「~~をしていた」と答える人のほうが多いのではないでしょうか。
これが過去進行形です。
ベトナム語の過去進行形はそれほど難しくはなく、「~~した」という文章の前に「昨日」という単語を入れればそれで文章は完成します。

義務教育で英語を学習している日本人にとって、外国語は時制表現が難しいという先入観はぬぐえないかもしれません。
しかし、ベトナム語の時制は英語よりは日本人になじみやすいものですので、ひるまずにトライしてみてください。